スポーツの動きはそのスポーツで鍛える?

もうずいぶん時間がたってしまいましたが、今年はコロナで開催が少し危ぶまれた6月から始まった引き締め&代謝アップ教室もすでに終了しました。例年よりはもちろん少ないですが応募者があり、無事開催できました。

 

ありがとうございます!

 

何年か継続して開催して感じることは、ここ最近特に小さな動きの効果や意味、重要性を実感として理解していただける方が本当に増えてきてうれしいなということです。

 

たとえば、ウチに来る前にもボディーワークとしてのヨガや、あるいはトレーニング、またはスポーツ系のジムなどでも運動をしている人もいらっしゃいます。

 

とくにスポーツ(競技もふくめて)をやっている人、元気な人、活発な人、向上心の高い人は、いわゆる意識高い人はウチでやっているような運動にも非常に興味を持つことが多いと思います。

 

ただこういった元気な人がやってきて、いきなり小さい足指の動きだったり、動いているかいないかのような小さな運動をすると、「予想ていたのとは全く違った」「わからなかった」「物足りなかった」というような感想を持つことがしばしばあると思います。

 

「予想していたのとは全く違った」というのはやはり当然ですね!普通とは違うことをやってますから。いかに運動という考え方が「筋肉」というものに偏っていればそうなることはまさに想定内です。

 

また、「わからなかった」に関しては、まだまだ分かってもらうだけの技量が足りないといえます。   これは、永遠に努力をしていかなければならない課題です。

 

また、「物足らない」も同様、やはり小さな動きの中にもっと入り込んでもらったり、集中してもらったり、大きな動き以上に奥の深さがあるということを感じてもらう、わかってもらうための技量がまだまだだということが言えます。

 

もちろんそれは矯正や強制ではないので、それを必要と感じるかどうか本人次第の部分がありますので仕方がない部分も多々あります。

 

そういう意味では分かる人にわかってもらうということに集中するということも大切だと思っています。

 

また一方で、何らかのからだの不調や不安、痛みや不快感のある方には非常に受けがいい。なぜなら、身体が非常に楽になったということが、良く実感できるからだと思います。しかも即効性も結構ある。

 

私自身も驚くような効果があったという人はたくさん見てます。

 

ですから、医療系の方々にもよく注目されるのも当然だと思います。医師や、最近は理学療法士や柔整の方々にもピラティスやヨガは人気があります。

 

イトーズピラティスのお客様も実は医療系の方々は結構通われている方がいらっしゃいます。

 

全体の数からしたらかなり率が高いと思います。また、セミナーの依頼もちょくちょくですがあります。

 

ただ、一番私がわかってもらいたい人々、つまり、今元気な人、トレーニングを頑張っている人、より高いところを目指している人、スポーツしている人、そしてスポーツや運動のコーチ、監督、トレーナーにここの部分の面白さ、奥深さ、効果の高さをまだまだ分かってもらえていないということがあります。

 

理屈ではいろいろとわかっている人は多いけれども、感覚として実感でわかっている人は決して多くない。

 

その実感をちゃんとうまく伝えられるようにまだまだ努力していきます。

 

 

ということで、より多くの方々にわかってもらうためにチェックしていただきたいことがあります。     それは、ベーシックなものあるいは基本的な動きよりも、いわゆる「アドバンス」と言われるような、複雑あるいは、アクロバティックな動きをやる方が、きついし、効果も高いという誤解です。

←こんな感じの動きが目標だったり、こういうのは特異的パフォーマンスですね。

 

↓あんな感じの複合運動だったり(どこにでもよくある運動なのでちょっと拝借。) これも複合特異的ストレッチです。              

 

 

 

 

 

もちろんこれはこれでいいんですが、そもそもの大間違いは、こういう動きを「機能的」と称したりすることが多いですが、

人間の身体はいつもいつもこんなに大きく動くようには実際は設計(機能)されていないんじゃないかなと思います。

 

大きく動けば動くほどバランスを崩しやすくなりますし、態勢を立て直すにも時間がかかりますから、身体の機能・本質からすれば、なるべくそういう事態を避けたいわけです。

私からすれば、これらは主に特異的な運動であり、特異的な筋群、関節のストレッチであり、特異的な動きを目標にしてますから、多くの場合、これ自体をやめてしまえばすぐに身体は硬くなりもとに戻ってしまいます。

 

また、こういう大きな動きをめざせば、とにかく大きく動いていれば、その中に小さい動きも含まれているから、普段動いていないところも動かされて、いいんだという考えの中にあります。

 

われわれが追い求めているのは特異的な柔軟性、可動域ということに対して、「普遍的な動きやすさ」です。

 

ある部分の可動域が狭い、硬いということが分かったら、通常はその部分のマッサージまたはトレーニングの処方としてもその部分のストレッチとなります。それ自体が悪いわけではありません。

 

いつも1センチしか動いていないところが、5センチ動けば動いたような気がしますし、それはそれでいいのですが、無理に動いていては意味がありません。可動域が上がっても動きが良くなったことにはなりません。

 

その視点に欠けているのはなぜ硬いのか?なぜ硬くなったのか?そこ意外に原因はないのか?という視点です。

 

可動域が上がっても動きがぎこちない人はたくさんいます。

 

ここではっきり言っておきますが、写真のようにこれだけ大きく動かしていても、決して動いていないところは存在します。むしろ動けば動くほど体のバランスが崩れていくということになってしまいます。

 

もちろんそれでバランスが良くなる人もいます。先に述べた視点がない限り、たまたまでしかありません。

 

そういう運動指導はだれでも少し学べばできてしまいます。誰でもできる指導で、それでこれから生き残れるトレーナーになるでしょうか?

 

 

それはさておき、また、他動的に動かされていることと、自ら動いていることは根本的に違います。無理やり広げた可動域と自然に広がった可動域、または動きやすさとも違います。

 

可動域と動きやすさの違いは別の言葉で表現すると、単なる可動域というのは、ある関節面のある単一方向的な動きが促進されただけであり、ある関節の可動域の狭さは、全く別の関節の動きによっても制御されているという事実を無視しているんです。

 

もちろんこういう運動が上手くできる人は、運動ができない人、していない人よりも感覚も発達していて小さな動きにも気づきやすいという傾向はいくらかあります。しかし、そういう人はそれが当然だとおもっていますから、何かのきっかけで一回崩れたときに何が悪いのか、どう立て直し何を基準にしていくのかわかっていないということは多々あります。

 

または競技なんかをやっている人であれば、より競技に近い動きをして直接役立てたいばかりに、そういう動き自体を練習したり、その動きに負荷をかけた方が効果が高いと思うかたもほとんどではないでしょうか。

 

例えば、野球の動きは野球で!なんかもよく聞きます。

 

そのスポーツ、この場合野球ですが、そのパフォーマンスを考えれば真実だと思います。目標ですからね。

 

 

目標はわかりました。ではあなたのスタート地点は?

 

それはあなたの今の身体自体です。というと体脂肪率とか柔軟性とかっていう話にまた戻ってしまうのですが、そんなことではなく、あなたの身体感覚はどうなってるの?という話なんですね。

 

真ん中を真ん中と感じていますか?20度を20度と感じていますか?

 

目標とスタート地点はいつもワンセットです。

 

運動を運動の量や動きの大きさやきつさの大小だけで評価していないか?

 

自分の体力を強い、弱いだけで判断していないか?

 

動く時に手順や外見的なことだけを気にしていないか?

 

そのトレーニング刺激の大小がその人にとって適正かどうかという基準も大切です。

 

確かに、それらは運動やトレーニングの一つの重要な側面ではあります。

 

当然、トレーニングや運動の目標ってパフォーマンスであり、身体を作って強くしたり、代謝を活性化したりをあげるということですから、

 

自分の持っている体力よりも少し上を狙って運動するということを想像しますし、期待します。   つまり運動を、運動の強さと量をあげることを期待するということです。

 

あるいは身体の中の糖や脂肪を燃焼するのは筋肉ですから、筋肉量を増やすというのことも期待するでしょう。

 

思った通りの動きができるかどうか、あるいはイチローや、タイガーウッズのようなすばらしい技術かもしれません。

 

 

それもこれもすべてあなたの身体自体がどうなっているか正しく感じられて初めて正確に目標に向かっていけるのです。つまり目標以前の問題がそこにあるということです。

 

小さな動きはそのスタート地点を常に感じさせてくれます。

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