ゆっくり動けない??①

年をとるとゆっくり動けない??

年配の方々の運動指導をさせていただいていると、若い人たちにおける将来の問題点の「芽」と呼べるものを見ることができます。

いろいろありますが、その中の一つとして、「ゆっくり動けない」問題があります。

ええ~ウソや~、年取ったらみんな動作が遅くなるやん~。

確かにその通りなんですが・・・・

私が言いたいのは、歩いたり、走ったり、物を持ったりというような、統合された運動ではなく、もっと単関節的、局所的というか、もっと単純なの動きのことなんです(この表現も完全に言い当てているかどうかは若干不安ですが)。

例えば、初めて私が指導する方々(グループ)に対して、 「ゆーっっっつっつっくり手を挙げてください」と私の動きを見せながら(手は身体の前からあげる)、「ゆっくり」を相当に強調してキューイングをするとします。しかも、1回だけではなく2度、3度とくりかえします。

そしてみな「うん、うん」とうなづいてくれます。

しかしながら、だいたい半分以上の方が、私が期待している速さよりも相当に早く、ほとんど「パッ」と手を挙げてしまいます。

そしていくら指摘したところで、最初ほとんど変化はありません。

実は、これは年配の方だけの話ではありません。

比較的若い方々でも、この傾向はほとんど変わりません。いや年を取っている方よりも顕著な場合さえあります。

おそらく頭では「ゆっくり」はわかっているのでしょう。しかし動けない。あるいは「ゆっくり」の基準が相当早くなっている。

また、さらにそこに心理的な部分も大きく影響していることでしょう。

その一瞬の「パッ」の中に色々な問題、複雑に絡まったものが凝縮されています。完全ではないにしても、それを一つ一つ紐解くだけでなく、ご本人に実感を通して理解をしていただくのが私の仕事です。

そうやって根気よく、ゆっくり動くということを本当に実現するように本当に意識できるようになると、その途端に色々な身体の反応に気付いていただけます。

また、ゆっくりという動きの速さとは別に、何度やったとしても、上げる腕の描く軌道はほぼ同じ、でも、その軌道は大体人によって描く軌道は違います。

これも「手を挙げる」角度の基準が人によって違うということを示してます。

一般的に肩というのは上腕骨、肩甲骨、鎖骨、肋骨と複合的な関節を形成して、筋肉もたくさんついています、さらに、ひじ、から上腕、手、上では頸椎、頭との関係もあります。

当然、動きの自由度も相当に、というか無限に近いほど高い。自由度が高いからこそ、不安定ともいわれています。・・・

なのに、「手を挙げてください」に対して、一人の方が無意識的に手を挙げる角度はほぼ一つしかない。

こちらが、すこし違った上げ方を提案しても、これはよほど意識しないとなかなか変わらない。

非常に不思議な現象だと思いませんか?

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