あなたは呼吸ができますか?①

「あなたは呼吸ができますか?」

と質問されて、「いいえ、できません。」と答える方はいらっしゃらないでしょう。

できるから、生きているんです(笑)!と言われるでしょう。

しかし、「自由に」または「楽に」という一言を加えると、ハイと答えるのがはなはだ難しくなるんではないでしょうか?

「あなたは自由に(楽に)呼吸ができていますか?」

それでも、多くの人が「はい、できます。」と答えるかもしれません。またはうーんと考えながら、内心は「出来るよ!」と思っていらっしゃる方もいるでしょう。

しかし、これまで老若男女、いろいろな個人、集団、スポーツに通じている人々、そうでない人も含め、セッションをする時、上の質問が意外に難しいもんなんだな~ということをわかってもらうテストがあります。

それはあおむけになって膝を90度程度曲げ、腕は床と平行に足方向へ伸ばし、胸椎を屈曲させるという(腹筋で、背中を途中まで起き上がらせる姿勢)、ピラティスでいうところの「ハンドレッド」ポジションをとってもらうという、見た目は非常にシンプルなものです。またポイントは腰までは起き上がらせないところです。

日ごろ腹筋などそこそこトレーニングを行っている人でも、10-20秒もすれば苦しそうに身体を下ろしてしまいます。さらにいうと、これは秒数だけ20秒以上ガマンできればいいということをを言っているのではないのです。大した筋力も必要ないし、大きな柔軟性を要求されることもありません。

これをやると皆さん、判で押したように、「腹筋が弱いのがよくわかりました」と言われます。

しかし本当にそうでしょうか? 

答えから先に言ってしまうと、というかタイトルをみて、カンが働く方はもうお分かりのとおり、この場合「呼吸」というのが大きくかかわっているのです。もう少し詳しく言えば、呼吸に付随するさまざまな部分になんらかの問題があるということです

もし、腹筋が弱いのなら、こういった腹筋のトレーニング量を増やす、またはウエイトのプレートを持って腹筋をするなど、トレーニング強度を増すか、
が考えられますが、そんなことをしても、20が40秒くらいに伸びるかもしれませんが、それほど伸びるとは思いません(その根拠について、筋生理学の話や解剖学の話はめんどくさいのでしませんが)。

こういうことをいうとまた、「呼吸のトレーニング」と言ってすぐ呼吸に「負荷」をかけたがる人がいますが、(効果がないとは言いませんが)これもまた行き方がちがいます。あくまで意識ですが、全くちがうのです。

私も計測したことがことがなかったので、やってみたら2分くらいで少し疲れが出てきましたが、限界までやれば、3分くらいは出来そうな気がします(しかし、鞭打ちなど首の悪い人はマネしないでくださいね)。そして日常的な腹筋などのトレーニングもほとんどやっていません。もちろん私が特殊能力を持っているということではありません。ベンチプレスを100kgを上げることより、多くの人がすでにそのくらいの体力はもっています。

ではなぜそれができない人が多いのでしょうか?

少なくとも、これは筋力トレーニングによる、生理学的な変化・適応では基本的に説明ができないでしょう。あまりトレーニングという言葉は使いたくありませんが、あえて「トレーニング」という言葉を使うとすると身体の使い方のトレーニングであるといえるでしょう。

使い方や動き方のトレーニングというと、よく神経系のトレーニングである「アジリティ―トレーニング」や「コーディネーショントレーニング」、あるいはファンクショナルトレーニング」がよく言われますが、こういう訓練とは基本的に違います。

それは、呼吸などの非常的に重要でに基本的な動きを対象にする、ということと、「負荷をかけて強くする」のではなく、「無用な負荷を回避」するまたは「利用」するというところを重要視していることです。

もちろん、たとえば、ウエイトトレーニングでもこういうことはフォームなどで教える必要があります。しかし、そのフォームからもっと遡って呼吸や単関節の基本的な動きまで見られる人は少ないでしょう。

いろんなところで言っていますが、いわゆる「トレーニング」を軽視したり、無用であるということを言いたいのではなく、また、ただなんでも動けばいいのではなく、こういう身近なこと見直すこと、そして知ることが、トレーニングにも生きるのだということを知っていただきたいのです。

この秘密は是非IT'S ITO'S PILATES !!!で

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