動きの最小単位

動きの最小単位ってことを考えたことがあるでしょうか?

私はずっと考えてきました。

立つ、座る、走る、物を投げるなど日常ではいろいろな動作がありますが、トレーナーとしてはそういった動作をどんどん分析していきます。

スクワットのような単純な動作なら、腰を落としながら、背骨はしっかり伸ばして(伸展)足首、膝、股関節を曲げます(屈曲)という全体像から、どんどんブレイクダウンして、それぞれの部位に焦点を絞って、どんな構造をして、どんな筋肉がその骨を動かし、それぞれがどんな動きをしているのかを見極めていけば本当にこう動かしたい!という人を導いていけるからです。

本当に最初ピラティスを本格的に勉強し始めたころは、そういった細かいところがかなり詳細に説明されていて感動したものです。

どの関節がどういう風に動くのが健康的なのか、全体ではどうコーディネーションさせていくのがいいのか?そういったことがかなり幅広くそれぞれについて、ピラティスという方法論を通じてそれを勉強していく過程で詳細に理解できたと思います。

そしてそれぞれの理解に基づき、いろいろな動きの課題があり、それらは結構複雑です。でもそれぞれパーツパーツの正しいとされる動きをつなぎ合わせて一つの大きく複雑な動きを作り上げていきます。

実際、非常に多くの場合に効果的で、今でも役に立っていることはたくさんあります。ですが、もちろんそれだけではなかなかうまくいかないこともあります。

喜んだのもつかの間、そういったことはただある、意味一例、一つの動きの戦略でしかないことに気づかされました。ある意味ピラティスという枠で見た場合、ということですね。

そしてもっともっと深い問題細かい動きの問題、時間とのかかわり、脳・精神・心とのつながり、環境・空間とのつながり、そしてそれぞれの相互の関係性の問題がでてきました。

さて、たとえば、ある人を分析した結果、股関節が屈曲の可動域が硬くて、太腿の筋力が不足、そして膝を曲げたときに膝が内側に入るようなアライメントの悪さが見つかって、まずは正しいスクワットを処方するとします。

それぞれがちゃんと教科書的に機能すれば、必然的に正しく動くはずだと普通は思います。

さて、ここで、スクワットが単純だといいましたが、本当に単純でしょうか?

実際、子どもでも大人でも全くスクワットをしたことがないような人に、一般的に正しいとされるスクワットを教えたとして、ある程度マネることはできますが、それをちゃんとそのままできる人はそうそういないものです。

本当に単純であれば、誰でもさっとできるはずです。

結局、スクワットといえど、スポーツの動作やいろいろな精密さを伴い複雑なタスクを要求されるような動作と比べれば単純ですが、それでも複合的で特異的な動作です。

スクワットの動作に話を戻せば、さらにもっと調べると、足部では片足だけで26個も骨があり、それぞれが動きの局面で複雑に絡みあって動いています。一つ関節があれば屈曲や伸展だけでなく、微妙にではあっても回旋や側屈、横滑りのような動きさえあります。膝も、股関節もそれぞれ関節のタイプも違います。そして最近では筋肉といっても筋膜などの結合組織との関係がここ10年くらいで非常に言われるようになりました。そしてそれぞれに神経や血管の走行などと関係しており、状況に応じて大きな意味を持ってきます。さらにその上には皮膚があり、これもまた無視できません。

さらにさらに、さっき触れたような新たにクローズアップされた様々な問題・・・・

こうなると迷路です笑)。迷路って楽しい・・・笑笑

で、もっと単純化しようとして、もっともっと細分化していきますが、とりあえずまだまだ身体だけで分かっていないので、それぞれの組織なんかにもいってしまいます。でも、どこまでいってもキリがありません。頭もついていきません笑。

そこまで行ってふと考えます。

そういえば、動きの最小単位ってなんだっけ?

長くなりそうな予感がするのでこの後はまた次回。

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