古武術の鍛錬法にみる量的トレーニングの意味①
昨日は久しぶりの古武術 8月2回、9月も何とか2回は行きたいものです。
6時半から初めて、大体いつも終わるのが9時半をすぎてます。
つまり毎回3時間以上ぶっ続けです。ほとんど休憩もしません。 相対稽古もあり、ケガの危険もありますから毎回必死です。 70をとうに過ぎてる先生の情熱・体力・気力には感服します。
私は月に2回程度しかやっていませんが、先生は毎週2回最近までやっていました。
昨日の内容は、古流空手の型、天心古流拳法、居合と剣術の鍛錬法、そして大東流合気柔術。
結構頻繁に、ナイハンチという基本の形をやります。細かいことは省きますが、ゆっくりサイドに移動する動きで、途中で中腰のような姿勢になります。
さて今日はその中腰の姿勢について、少し鍛錬法の教授がありました。
鍛錬法といっても内容は単純。
この姿勢でしばらくそのまま静止するという鍛錬です。
これは足腰の筋力の鍛錬の意味もありますが、もう一つ違った意味があります。
中腰といえば、普通にトレーニング的発想で考えれば、当然太腿の前面、つまり大腿四頭筋を普通に考えれば鍛える感覚でしょう。
そこで耐える訓練と思われがちですが、そうではなく、長く中腰でいると、とうぜんさきほどの筋肉がつかれます。
四頭筋はそれほど長い時間筋力を発揮できる筋ではありませんから、当然疲れ、次第に筋力が発揮できなくなってきます。
それでも続けていると、ハムストリングを中心とした、身体の裏側の筋群がより主役となってきます。実はこちらのほうがこういう姿勢を長く保つのに適した筋群であるというのです。
それがわかれば、疲れが少なく、しかも安定して力が出せる姿勢が可能になります。
そしてまさに中腰で耐えるというのはそこを狙った鍛錬法であり、
単に忍耐力を鍛えたり、特定の筋群に負荷を与えるだけのトレーニングではないということなんです。
大昔に読んだ、氣についての本でも、立禅の話があり、これと同様のことが書いてあり、今回これを実際やって、ハッとしました。
究極の神経系トレーニングともいえるんじゃないかと思います。もちろん昔は、そんな説明などされるわけはありませんから、気づく人と気づかずただ耐えている人に分かれたんではないかと推測します。
確かにハムストリングを意識すると、これは全く違う訓練になります。
同じ姿勢を続けるということでも、動くということ、例えばスポーツでも、ピラティスなんかの動きでも、全く同じことがあります。
結局、取り組む人間の意識にかかっているということですね。
次回は剣術の素振りにみる量的トレーニングについて書きたいと思います。