トレーナーの説得力って?
いろいろなクライアントを見てくると、
本人からの訴えと身体からの訴えが違っていることがよくあります。
本人が思う快適な身体のある部分の位置と、身体が、ここにあって欲しいと感じている位置とはまったく違うことは珍しいことではありません。
この場合、教科書的なアライメントの知識の半分以上は役に立ちません。
そういうのをトレーナー自身が実演してみせても、頭では納得してもらえますが、最終的には意味ないことも多いはずです。
そして、完璧なアライメントの人がいない以上、どの部位でも、あくまでも暫定的な位置でしかありません。
常に変化する全体的なバランスの中で、今はここら辺で意識するのがいいよということです。
ですから、そこが暫定的に正しいといえる証拠がないと本人に納得してもらえません。
その証拠は本にもなければ、論文にもありません、もちろんトレーナーができそれをできるないもあまり関係ありません。トレーナーの中にもないということです。
トレーナーが、ここが正しい!といくら最新の理論をもとに、実践してみせて理路整然と説明して、説得力があったとしても、無意識の身体が納得しなかったら、無意味なんです。
エビデンスを示すとか、トレーナー自身がトレーニングをして見せることで説得力が出るから、しないといけないとか。
べつにそれが間違っているとは思いません。
でもそれは、究極的には証拠を示したことにはならない。
そういう説得力は意識上の説得力、頭の説得力であって、本当の説得力じゃないんです。
本当の説得力は本人の無意識側での説得力なんです。
いや、表の説得力に対する裏の説得力というべきか。
いずれにしても方法は簡単。
本人の身体に聴くんです。
私はどんな偉い人がいうことより、クライアントの身体の無意識の訴えを何よりも優先します。
本人の言うことでさえ、半分くらいなんですから。