測定してわかること、わからないこと
特異的な柔軟性と普遍的な柔軟性
これってよくよく考えなければいけない問題だと思っています。
特異的な柔軟性って、日常生活の動きももちろんですが、特にバレエやエアロビクス競技、体操などの普通の運動よりも大きな可動域を使って動くスポーツや運動でよく用いられるような特に「関節の」柔軟性です。
つまりそのスポーツ、運動に特異的な柔軟性ということです。
したがってこれらの運動を日常的に行っているような選手はこういった柔軟性に優れています。
とくに常に練習するような動きでよく使われる関節の可動性は素晴らしいものです。
まあ、当然ですよね。
しかし、上記のような特異的な柔軟性を備えている人は同時に普遍的柔軟性を「自動的に」備えていると考えられがちです。
しかしそれは大きな間違い。
私のいう普遍的な柔軟性は単に関節の可動域や柔軟性を指しているわけではないからです。
これは柔軟性だけじゃなくて筋力にもそれがいえます。
関節だけ考えても、ヒトは200以上もの骨で構成されています。つまり、関節もその数と同じだけあり、そのすべてに適切な可動性がちゃんとあるかというと、当然そんなことはありません。
普通に動くところ動きにくいところがあります。
そして、放っておくとそれがそのままその差が広がって、バランスの悪さにつながります。
骨そのものも柔軟性というか、柔らかさがあります。動きの悪いところは骨そのものも固いことが多いです。
骨の石灰化も起こりやすいようです。柔らかい骨ってコラーゲンが豊富でしなりがあります。
骨にも血管が通っていて、常に代謝を繰り返しています。骨が固いと靭帯などの結合組織も固くなります。
あれってなんなんだろうってよく思います。
その上、神経も血管も内臓も脂肪組織も皮膚も運動で動きます。これらがすべて柔軟性にかかわっています。
そこに心理もかかわる。
おそらく、それぞれの組織自体にも身体の中での可動性と組織そのものが固い、柔らかいがあると考えられます。
こうやって考えると可動性と柔軟性、固い柔らかいって、当然ですが、イコールではない。
健康的にフィジカルトレーニングをすすめるためには、なるべく普遍的な可動性、柔軟性、柔らかさと強さのバランスを考慮しながら包括的な視点でトレーニングをしていくことが重要です。
これは簡単に測定はできるものではありません。
IT'S ITO'S PILATES!!!では、測定できるものは測定器に任せて、簡単には測定できないことをしっかり見てトレーニングを考えていきます。