身体、心、精神??
ピラティスではよく、「ボディ、マインド、スピリット」の統合が大切だと言われます。
ここで、根本的な疑問があります。
それはボディ、マインド、スピリットってなんだ?ってことです。
そりゃ、身体、心、精神!
と言われるでしょう。
そうですよね。「身体」はまあ、わかります。
心と精神の区別がよくわかりません。
区別というより、まあ、もし仮に分けるとしたら、っていうことでしょうね。
心は、喜怒哀楽、恐怖や不安といった感情を中心としたもの? 精神は意識、認識、意思などのようなものでしょうか?あるいはその逆か?
英語のマインドと日本語の心という概念もそれぞれすこしづつ違います。
そして、さらにそれらの統合って、頭で考える意味はなんとなくわかりますが、具体的にどういうことなんでしょうか?
単に思ったように体を動かすってだけじゃ説明にならない気がします。
でも、いろいろな本やピラティスに関する専門的な記事を読んでも、そこらへんを明確にしている人は私の知る限り誰もいません。
みんな、口をそろえて、「ピラティスは、ドイツのジョセフピラティスによって考案された、ボディ、マインド、スピリットを統合させることを強調した・・・云々」というだけ。
その中身を具体的に説明できるひとはまずいないでしょう。
私もまあ、とりあえず、そう説明するでしょうし(笑。
ほとんどは、学問的、科学的に説明しているようで、基本的には関節や機能解剖の詳細の繰り返し。細かい筋肉名と関節や骨の名前の羅列、いや、私のように分からず屋の人が見れば羅列にみえるだけで、羅列ではないでしょうが笑)。
さらにちょっと突っ込んでも、脳科学、運動制御、認知、運動学習という部分
また、もっともっと基礎の部分で、科学でも脳と、心がイコールか、そうでないかは、まだまだ解明されていません。
だから当たり前なんですよね。
脳や認知は心理学であるとか脳科学では扱われていますが、いずれにしてもそれらはほとんど物質的な現象としての側面から測定なんかが行われて、すごく面白いですが、それって結局心というより「身体」に属することなんじゃないの?と思ったり。
結局、身体と、心、精神って、そう簡単にわけることはできないからなんでしょう。
もしかしたら心や精神は身体とは別の何かがあるって、考えている人たちもたくさんいます。
ある程度科学でわかっていることを説明することは大事かもしれませんが、それですべてがわかったわけではないということですね。
さて、身体、心、精神の統合が大切といいますが、ふつうの人が統合されていないのか、といえばそれなりに統合されてはいるでしょう。
ただ、その結びつき方、統合のされ方が、人それぞれなんじゃないかということです。
さらに人間は単体で生きているわけではなく、人間関係や環境の中で生きているわけですから、その環境とのかかわり、結びつきも当然考慮にいれなければなりません。
これも統合と言えば統合ということになるでしょう。これがまた例の三者に影響を与えるといった具合。
だから統合といったって、「統合の仕方」はゴマンとあると考えてもまったく不思議ではありません。
ってことは、科学でもって、言葉でもってそれぞれ別々にわけて勉強して研究して、それぞれで、色々な事実がでてきたとしても、ボディ、マインド、スピリットの統合を、全体として、誰にでもわかるようには、そうそう出来ないんでしょう。
ですから、学術的に研究する人は別として、現場ではいろいろな可能性に常に敏感になって、人間の身体を限定して考えるべきではありませんね。
なぜなら、誰にもわからないんですから。