体幹の筋と筋力にも種類がある。
呼吸がある程度自由にできる腹筋とできない腹筋。
例えば・・・
仰向けで、膝を立て、あるやり方で上体を起こして維持します。
...
このとき、ほとんどの人は30秒と持たないでしょう。
こういう腹筋の使い方の選択肢「しか」持たない場合、その腹筋でいくら強化しても、一瞬の強さとして、後は見た目、そういうメリットがありますが、
その他のほとんどの場合、その努力は報われないでしょう。
そして、さらに良くないことに、
そういう特異的な負荷の掛け方、筋力の使い方に適応することで、通常レベルの呼吸さえ阻害されて、スタミナの欠如、疲労からの回復の遅れなどにつながる恐れさえあります。
これは普通に生体のエネルギー供給系を考えればわかることです。
陸上の動物の生体の活動の基本は有酸素エネルギーです。無酸素的な代謝も有酸素的な代謝の基盤の上に成り立っています。
呼吸には、酸素の取り込みという役割とともに二酸化炭素の排出という重要な役割もあります。
完全に呼吸しないでは100mも走れません。これは2酸化炭素の排出がかかわっています。
さらに自律神経などとも直結していますので、健全な呼吸の維持と言うのは生体にとって、最重要課題なんです。
当たり前ですよね。
特にアスリートではこういうトレーニングに適応してしまって、肋骨下部の部分が閉じて開ききにくくなっている状態でよくみられます。
こういう状態で、健康的な呼吸が行われているとは到底考えられません。
おそらくその他の予備的な能力で賄われているのでしょう。またはそういった不快感を整体やマッサージ、その他の治療的な手段で解消しているのかもしれません。
ちゃんと呼吸を維持しながらする運動は本当に重要なんです。
では呼吸は止めてはいけないのか?
そういうわけでもありません。呼吸を止めることによってうまく力を出せることもあるのです。
呼吸も同様、うまく使うことが重要なんです。
こういうことをちゃんとやることもしない、知ろうともしない、考えようともしない、短期の効果を求めてやろうとするスポーツの性急さ、トレーニングの性急さにはいつも警鐘を発したいと思ってます。
平面上でまっすぐ片足で立てないのに(と言うかまっすぐ立つこと自体の意味も分かっていないのに、)なんで不安定なディスクの上でバランス強化、体幹強化をはかるんでしょうか?
意味がさっぱり分かりません。
全ては基本からです。そこから先が初めて特異性です。
いろんな場面で基本が大事。みんなそう言っていますよね。
古人も多くの何人もの偉人・達人・賢人たちが呼吸について言及しています。
呼吸は基本的なことではないんでしょうか?