フォームを変える時に考えなければいけないこと。「客観と主観」

フォームを変える時に考えなければいけないこと。「客観と主観」

 

主観と客観、私がよくテーマにする話題です。

 

よく、スポーツの現場で新しい技術を身に付けたり、フォームを変えるという試みをすることがあります。

 

言うのは簡単ですが、これがなかなかうまくいかないことの方が多い、というのが現場の意見ではないでしょうか。

 

例えば、ビデオでフォームを客観的にチェックします。あるいはより科学的な手法でデータとして分析するとします。

 

その結果、走るフォームなら一流選手に比べて、膝の上がりが低いとか高いとか、股関節の伸展のタイミングが遅いとか速いとか、バッティングやゴルフのドライバーなら、スイングスピードが遅いとか速いとか、バッティング時に身体が開く癖があるとか、投げる時の肘の位置が高いとか、低いとか、そういったことが「客観的」事実として浮びあがってくるでしょう。

 

ここまでは測定機器、器具・設備さえあれば、だれでもできます。

 

問題はそこからです。

 

多くの場合、先ほどの例でいえば、膝を23センチ高くする、肘を高めに振り上げる

、肘を高く上げようとする、身体を開かないようにする、だけでは解決しないことの方が多い。

 

つまり、改善策として、単に気を付ければ済む問題ではない場合の方が多い。なぜなら、問題となる動きが、頭でわかっていてもできない、無意識の動きの事が多いからです。

 

あるいは、競技特異的な動きに似せて筋力トレーニングをする、その動きに関わるどこそこの筋力を鍛えましょう・・となる。

 

それで、「動きを鍛える」などと言っている人もいる。

 

しかし、おそらく、走るのが速くなりもしなければ、飛距離がコンスタントにアップしたり、打率がすぐに上がったり、投げる球が速く、あるいは、変化球が切れるようにはならないことの方が多いと思います。ましてや動きもそれほど良くならない。

 

 

なぜなら、大抵そういう場合、「なぜ、膝が上がっていないのか?」であったり、「ある部分の23センチを変えることによって影響を受けるその他の部分」をまず考慮しないからです。

 

「その部分に気を付ける」ということによって起こる問題もあります。気を付けたことによって、その時には問題がなくても、後々負担が来る場合もある。

 

もちろん、身体は自動的に全体を調整する機能があります。それがうまく働けば問題ありません。

 

つまり、これがもともと感覚のいい人です。感覚、あるいは「主観」が発達している人と言い換えられます。

 

しかし、ほとんどの場合そうではありませんよね。

 

長らくしみついた習慣的な動き、ひいてはフォームを変えるのが難しい理由はそこにあります。

 

そう言う意味で、身体全体の動きの感覚「主観」を意識しないで、形だけ変えることは行ってみれば「危険な賭け」です。

 

客観的なことが分かって、頭で納得しても、感覚(主観)に落とし込めなければ、客観は全く役に立ちません。

 

客観と主観の摺合せが必要なのです。時には、一旦客観を捨てなければならない時もある。

 

すり合わせるためには、指導する側もされる側も主観を磨くということが絶対的に必要です。

 

今ある感性で十分なら、スポーツでもおそらく結果が出せているはずです。

 

そうでないなら、それを開発する必要があると考えています。

 

主観とは、感性であり、「感性は開発しなければ育たないものだ」とある武術家の方は言っていました。

 

まさにその通りだと思います。

 

自分の今の殻を破って、さらに上を目指す人はぜひこれを考えてほしいと思います。

 

IT'S ITO'S PILATES!!!のセッションは、特にこの感性を磨くために構成しています。

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