身体の感覚とピラティス氏の言葉
体の感覚
もう何年目かになりますが、ある法人の福利厚生で運動指導に行っています。
参加者数は少ないですが、毎回熱心にセッションを受けていただいています。
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今回は交通事故で股関節を怪我した男性(最近まで入院されていたそう)が初めて参加されました。
基本グループセッションですので、個人的に見ることは基本的にしないのですが、いつも参加されている方が紹介してくださり、「ちょっと見てあげて」、と言ってくださったこともありますし、セッション進行上の安全のこともありますので、簡単にざっとみさせていただいてみると、
やはりいろいろとありました。
一番わかりやすいこととして、ケガしたほうの股関節の前側の筋肉、大腿四頭筋、と外側広筋あたりがパンパンです。
もちろん動きも悪い。
本人にはあまり自覚がありません。
私だけがそれをわかっても仕方がありませんので、一緒に参加している同僚の方にも触って確認してもらいました。
その方も「うわっ」というほど。
要は誰でもわかるほどの緊張がありました。
さて、それはそれで、状況確認として、とにかく例によって基本的な動きからやっていくように、プログラムを再編成して、セッションを始めました。
別に、パンパンだからといってそこのストレッチやマッサージをしたわけではありません。
しかしあっという間に、その部分はふにゃふにゃになりました。
でも、本人様の自覚はほとんどありません。
これもまた、同僚の方に触って確認してもらいました。
やはり驚かれていました(笑。
こういうことってホントによくあります。
「他人に分かるのに自分が自覚できない」
ここに「集中」であったり、「意識」「感覚を鋭くする」ということの本当の意義がわかるポイントが隠されています。
今は怪我が治って一安心というところでしょうが、今後この古傷の(いまはまだ新しいですが)影響がいろいろなところに出てくることは可能性として、自覚する自覚しないにかかわらず、かなりあるんではないでしょうか。
ピラティスさんは自著の中で、「まず感覚器から始める」と言われているのをいつも噛みしめる瞬間です。