あなたは呼吸ができますか?③

さて、今回シリーズ物に挑戦しています。「あなたは呼吸ができますか?」の最終回です(笑)。

今回のケーススタディー??は、最近、定期的に歩き方の習得、歩くことが楽になるための身体づくりにIT'S ITO'S PILATES!!!へ通われている年配の女性の方です。

初期にくらべ、歩くことが非常にどんどん楽になっているものの、時々来られた時に「今日は、すごく体が重く感じてきつく感じるんです。」と言われる時があります。

そんな時、大体、身体を観察してみると、この方の姿勢がもともとそういう特徴なのですが、ちょうどみぞおちの裏あたりの胸椎から背中が丸くなって胸が落ちた姿勢がいつもより顕著に表れています。

その時によってそうなった原因はいろいろあるのでしょうが、ある特定の動きをしたり、バランスを整えたりすることで、終わったころにはスッキリして帰られるのですが、特にこの方の場合、最も効果の高いのは、簡単。呼吸を意識して行ってもらうことなのです。

最初の5分ほど呼吸を意識して行ってもらうだけで、「あれ?すごく楽になりました」とおっしゃられます。

もちろん、随分前から呼吸の重要性はわかっていただいていますし、家でも時々実践されているようです。

ですので、「家でも呼吸法、時々やってるんですけどね~。」とすこし不思議そうです。

違いはなんなのでしょうか?

実際のところ、私も当たり前になっている指導ですし、その方が家で実践している呼吸の仕方を見たわけでもないので、違いはよく私にもわかりません。

しかし、おそらくなんらかの集中力、イメージ、感じ方の差と言えるかもしれません。やはり単に呼吸をすればいいというのではなく、そこには若干のコツが存在するのだろうということです。わたしも指導するとき一見単純な呼吸でも、いろいろなことをクライアント様の状態を見ながら意識して指導しています。

呼吸にかかわっている身体の筋肉をはじめいろいろな組織、部位は非常に多岐にわたります。それらすべてが呼吸に影響を与える可能性があるわけです。さらに、それが姿勢や動きによってさまざまな現れ方をします。

ですから、ある呼吸法をしたとき、「うまくやる」ことそのものよりも、もっと重要なことがあるのです。

さてこのケースの方に戻れば、みぞおちといえば、特に主な呼吸筋である横隔膜の場所と一致します。横隔膜が動いていないから、姿勢が悪くなるのか、姿勢が悪いから横隔膜が動きにくくなるのか、それはわかりません。いずれにしても横隔膜とそれによって影響をうけるところを意識しながらセッションをしたわけです。

そして横隔膜を含む体幹の重要な部分胸郭が動きやすくなるため、身体がすっきりと垂直立ち、重力に対してエネルギー効率がよくなって楽になったと考えられます。

そしてその方は徐々にそのコツを習得しつつあるようです。一番最近のセッションでもその傾向が見られました。

私はランニング教室などを行っていてこんなことを言うのはなんなんですが、それでも勇気をもっていうなら、上記のような状態を獲得せずして、たとえばランニングや有酸素運動をして有酸素能力が多少伸びたり、そしてそれによって気分の高揚や爽快感があったとしても、非常にもったいないような気がします。しかしこういうことを少し加えるだけで有酸素トレーニングの効果は飛躍的に拡がります。

いったい、呼吸がしやすいというメリットはどんなことがあるでしょうか?

また、これについてはより専門的になりますし、長くなりそうなので、別の機会にくわしく投稿することにしましょう。忘れてたらスミマセン(笑)。

さて、あなたは呼吸ができますか?

いま当たり前と思っているあなたの呼吸も、実はもっと楽にできるのかもしれません。

一度ご自身の呼吸を見直してみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です