首から上の強い反応
70代半ばの女性。
ここ1-2年ほど定期的に個人のコンディショニングを受けに来てくれている方ですが、
もともと、体中の緊張がまあまあ高く、姿勢が少し前かがみで、少し右に傾いている状況でセッションを受けると身体が立ちやすくなり、姿勢が改善されるし、うごきやすくなるということでいつも受けてくださっていました。
ただ、なかなか首の動きの悪さ、頭蓋骨まわりの硬さは取れにくく、自分としては効果が不十分ではないかと内心、何かもっといい方法があるのではないかと思うこともしばしばでした。
脈診でも首から上の反応がいつも強く出ていました。
これは全く変化がないといっていいほどでした。
ここ最近では、セッション前の姿勢の崩れが大きくなってきているような印象を受け、さらにちょっと動きそのものが緩慢な感じもしていて、なんとなーく違和感を感じるようになりました。
単に年齢的なものもあるかもしれませんが、もしかするとそれ以上の何かがあるのではないかという疑問が沸き上がりました。
首から上の強い反応、緩慢な動作、こわばりとくると、やはりパーキンソンのような脳神経系の病気が隠れているかもしれないと思い、
本人も少し気にしているようなので、専門の病院の受診を勧めたところ、素直にきいてくださり、後日精密な検査を受けられました。
そうは言ってみたものの、実際は、結局「年なんだから、といわれるんじゃないかな?」という楽観的な気分も少しありました。
しかし、結果は悪いほうの予感が的中してしまいました。
やっぱりか・・・と思うと同時に、なんともさみしいような悲しいような気分でした。
レビー小体型認知症という診断結果だったそうです。PETなどでの精密な検査結果を見せていただきましたが、これは間違いなさそうです。
特に右脳のほうの萎縮が大きいようです。
画像診断の技術というのは本当にすごい。
さて、いまは転倒の危険があるということで、娘さんに付き添われてこれまで通り通われています。
レビー小体型認知症がどんなものかはネットで調べていただければと思うのですが、認知症といっても、
その方の症状自体は少し動作が緩慢なことを除けば、お客さんとして接している分には全く普通の高齢の方と同じように見えます。
他の方がいらっしゃるときには、普通に会話を楽しんでいらっしゃいます。
またセッションで動きをしてもらうと、それを紙にメモしてナントカうちでもやってみようという意欲もあります。
薬などを処方されたようですが、そうはいっても姿勢の崩れや身体のこわばりはそれほど改善されたようには見えません。
今後も身体が楽になるので、ウチに来てくれる曜日は楽しみにしてくださっています。
私としても、検査結果がわかったことにより、それを参考に考慮に入れながら、より的確なセッションにつながっていくようにも思います。
実際、少なくとも今回はこれまでのような迷いはなくなりました。
ただもっと早い段階からその迷いをなくし純粋に見ることができたはずという反省はあります。
そしてそう診断がついた現在でもセッションにより身体がまっすぐに近づき、動きやすくなるということは事実です。
つまり我々にもまだまだこういった方々に対してやれることがあるということです。