安定vs不安定
安定vs不安定
安定していることはいいことで、不安定なことは悪いこと?
いえいえ、そうとは限りません。
...
それは一面的な見方。
でも人間は本能的に安定を求めたがります。
知らないなら当然ですが、たとえ、それが悪い結果につながっていくことがわかっててもなかなかその本能を打ち消すのは難しい。
ある人の腕をとって、その人を動かそうとします。
当然腕をとったほうの人は踏ん張って(自分を安定させて)支点をつくって、その人を引っ張り動かそうとしますが、相手もその支点を利用する形で踏ん張ることができます。
つまり、こちらが安定すると、相手も安定しやすいのです。
こうなると力の強い方が勝ちます。これは当然の摂理ですね。
こちらが強く圧倒的な力の差があれば、これで問題はありません。
しかし、こちらがわざとバランスを崩すことで、簡単に力が相手より劣っていても相手を崩すことができます。
このメカニズムには人間の感覚と脳の処理がかかわっています。
なかなか分かっていてもできない。
バランスを崩すこと自体、人間が本能的に嫌うからです。これはこれで、違った訓練です。
走る、歩くという、移動するということも同じと考えることができます。
前へ前へと重心を移す際にはバランスを前へ崩すということとほぼ同じだからです。
やった人じゃないとこの感覚は理解できないでしょうね。
こういう人間の感覚の働きを知って努力する人と、知らずにただ努力すればいいとトレーニングする人では、大きな差が出るでしょう。