ルーチンワークと飽き

ルーチンワークと飽き

長年グループセッションを受けられている方。

今回もいつものようにセッションに来られました。

 

 

珍しく、膝が痛いということでした。

 

 

膝のハリも気になっているようでした。

ちなみに、グループセッションは、6~7割ほどはルーチンワークのように、単純で基本的な動きで構成しています。

 

 

膝が痛いからといっても、そこまでひどい痛みでもないし、できないような動きもないので、

 

 

あまり大げさに考えず、

まずは、いつもの動きをはじめて行きました。

 

 

さて、長年通われていますし、基本的に単純な動きですから、手順もわかっていて、すべての動きをほとんど卒なくこなすことができます。

 

 

しかし、卒なくこなす中に、やはり膝の痛みの原因と思われる小さな傾向が見えます。

 

 

今回はどうも、左側のお上腹部の奥の方、つまり、胃、脾臓あたりの動きに問題がありそうでした。

 

 

このあたりを動かす種目はいろいろな種目が候補として上がりますが、

いつもやっている種目の中で、ロールアップという動きがあります。

 

 

あおむけに寝た状態から、身体を巻き上げて起き上がるアレです。

 

 

この種目で、起き上がるときに若干意識を変えて起き上がるように、補助をしました。

 

 

すると、起き上がれるには起き上がれますが、スムーズな起き上がりができなくなりました。

 

 

でも、それを2,3回繰り返すと膝の痛みとハリは消えました。

 

 

ここに、いつもやっているルーチン的な運動の意味があります。

 

 

つまり、ある、新しい運動ができるようになるようにするというのは、一つの目標ではありますが、それだけではないということです。

 

 

むしろ、できるようになってからが勝負です。

 

 

我々のような運動指導をしている人間にとって、クループセッションは、ある程度できるようになって、それでも続けていると受ける人が退屈するのではないかという恐怖が指導する側にはあります。

 

 

そうすると、飽きを回避するために、新しい種目、目新しいポーズ、ちょっと趣向を変えたコリオグラフィー(振付)を加えたりと、どんどんバリエーションを増やしたくなります。

 

 

私もいつもその葛藤と戦っています(笑。

 

 

しかし、そういうことをやればやるほど、その運動が持つ本来の意味や効果からは遠ざかっていきます。

 

 

単なるカロリー消費、あるいは楽しいだけの運動になってしまいます。

 

 

そのために、バリエーションは必要最小限にしています(あくまでも健康のためのグループ運動プログラムの場合ですが)。

 

 

もちろん飽きを防ぐ、というのはいつでも重要な課題には違いありません。

 

 

しかし、別の言い方をすれば、1時間なら、1時間の流れの中に十分なバリエーションは含まれているともいえます。

 

 

1つの運動のなかにもいろいろな可能性や要素が含まれています。

 

 

あとは、ルーチンでありながらルーチンでない運動にするのが指導者の腕の見せ所ということになるでしょう。

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