血液の流れと動き
かつて、運動生化学の大学院生だったころ、
自分達の実験室は、運動「生化学」ということで、特に血液なや唾液ど、体液からいろいろ分析することが多く、その時も血液を採取していました。
人の血液の場合、通常は血液をとったら、すぐ抗凝固剤の入った真空の試験管に注射器を差し込んで血液を入れて軽く振って、遠心分離機にかけて、血清と血餅にして、保存して業者に出すという手順です。大体私は資格者でもないので、採血そのものは基本看護師にお任せです。
その時は、細かいことは忘れましたが、そういう状況ではなかったのだと思います。自分達の設備で分析する状況だったのかもしれません(そうすると同僚の動物実験だったのかな)たまたま血液を採った後、何かに手間取り、しばらく(たぶん5分くらい)血液を放置してしまって、血がゼリー状になって固まってしまいました。
こんなすぐに固まるんか~と驚いたのと同時に、
まずい!
と慌てていると、私よりもずっと血液の扱いに慣れている同僚は、慌てることなく、すぐ実験室の攪拌などに使うバイブレーションの上に血液の入った容器をのせました。
すると、あら不思議! 血液がまた液体に戻ったんです。
物理的な振動が、固まった血液をもとに戻したんですね。
血液って、動いてないと固まってしまうんです。
心房細動などで血液の流れが心臓の中で滞ると血栓ができ、脳こうそくなどを起こしやすいと聞いた時、真っ先にこの経験を思い出しました。
これまた、この現象は動作の中でも応用できると思っています。例えば、歩くと身体が揺れます。しかし、よく観察すると、身体の中に、揺れてない、あるいは揺れの少ない部分が観察できます。
つまり動いていないところという事です。
その部分をターゲットにして関連する部分の緊張をといたり、血行を良くしたりできるんじゃないかということですね。