スクリーニング
先日、トレーニングにおける、コレクティブエクササイズの話について書いたので・・・
そのついでと言っては何ですが、その中で「スクリーニング・テスト」という言葉が出てきました。
今回はこれについて書こうと思います。
トレーニング・運動の世界では最近有名になってきましたFMS(ファンクショナル・ムーブメント・スクリーンの略)やピラティスにおいても私が資格を取得した団体にはちゃんとしたフィットネス・スクリーニングというものがありましたし、
医療職用のリハビリのピラティス資格においてはもっと細かい手順のようなマニュアルのようなものが存在します。
そのスクリーニング意味について、一応調べてみると、「選別」「ふるい分け」試験ということがわかります。
ネット辞書によれば、「迅速に結果が得られる簡便な検査を行うことによって、集団の中から特定の病気が疑われる人を選び出すこと。」ともあります。
私も過去にアスリートの血液性状をずっと調べていた時期があり、たとえば血液検査のスクリーニングであれば、
赤血球、白血球、ヘモグロビン、肝機能(血清酵素)、なんかが挙げられます。アスリートでしたので通常の検査では使われない、ホルモンの測定や、筋肉の破壊を示す酵素なんかも頻繁に調べていました。
よく会社や学校などの健診で行われる検査そのものが、スクリーニング検査そのものです。
つまり医療におけるスクリーニング検査とは、「何かしらの」病気が疑われる人を抽出するのに使われるものです。
その病気が何であるか、あるいはその病気の原因を探るものではありません。
例えば白血球数は、単なる感染症でもあがりますが、白血病のような重い病気でも上がります。
基本的に原因がわからなければ、治療のしようはありません。引っかかかれば、明確に診断がつくもの以外は、より詳しい検査を行う必要があります。
また引っかからなくても問題がないとは限りません。
私の見たアスリートの例では、
一緒に練習していたあるアスリートが、考えられないくらいのパフォーマンスの低下があり、貧血の疑いがあったので、いわゆる通常の血液検査を受けましたが、赤血球数や、ヘモグロビンはちょっと低めではありましたが正常範囲でした。
でも、それにしてはパフォーマンスの低下が著しいので、さらに詳しい、身体の中の貯蔵鉄を調べる項目を追加してもらいました。
すると、貯蔵鉄は正常値よりはるかに低いレベルでした。
これがわかったことで、練習を軽減させ回復に努めたところ(もちろん医師の指導のもとですよ)、パフォーマンスが回復したという例もあります。
ここでスクリーニングについて何が言いたいかといえば、
いわゆるトレーニングにおける可動性や筋力を検査するスクリーニングというのはおおざっぱな異常を選別するためだけのものであり、明らかなものは別として、決して本当の原因を追究するためのものではありません。
結局はマス(大衆)からの単なる選別であって、画一よりはいいでしょうが、本当の意味でのパーソナルではありません。
例えば、本当に個人を見るべきパーソナルトレーナーが、マス対応のスクリーニングで原因究明がそれで終わり、そしてフォーマットに従ったエクササイズ処方をバリエーションをつけて繰り返すだけ、というのはどうなんでしょうか?
スクリーニングは当たり前として、
ここから先は感覚の出番です。
いや、ここより前でも、感覚は眠らせておいてはいけないんですがね。