「関節の遊び」について

 10年ほど前、陸上競技の指導で有名なある先生とよく話す機会がありました。よく陸上競技の技術論を話し合ったものです。
その中で心に残っているものの一つ。それは関節の遊びについてです。 その先生はSL機関車の車輪を連結している連結棒を例にだして私に教えてくれました。 「機関車の車輪どうしを結び付けて複数の車輪を回すあの棒は複数あるが、絶対に一直線に並ぶことはなく、必ずお互いにわずかにずれて遊びがあり、動く。もし一直線に並ぶことがあれば、お互いにロックしあい、車輪は止まってしまう。走る時の脚もけっして足が完全に伸ばすものではない・・・」と。
 今考えると、長年現場で選手の動きを見てきて、好成績を残した、その先生の動きの観察力はさすがに本物だったんだな~とつくづく思います。 ...
よく、直立姿勢や動き、いろいろな体重支持姿勢において、関節をロックして支持、および動きをする人がほぼ100%に近い割合でいますが、少し緩める指導をするだけで、全身の筋緊張が変化します。もちろん緩む方向に。
これは、滑らかなリラックスしながらも高いパフォーマンスを発揮できる動きに「関節の遊び」が重要な役割を果たしていることを示す良い例であり、証拠のように思えます。

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